~ピパーチは私の恋人だから~「畑の玉手箱だより」

ハーブの活動を始めた頃、ピパーチ(チバティ)は、大切な存在であることに気づいた。そして増殖栽培ができないかを考えた。島の農作物にしたい、そんなことを胸に誓い、ピパーチを恋人にして朝でも夜でも顔つき合わせ、泥と汗にまみれ、暑い日だって、その目的を果たすためにともに連れ添った。

あれから20年余り月日が流れ、恋人のピパーチは世にその名が知られるようになった。国内唯一の胡椒、島ハーブとして、誇れる農作物として成長し続けてほしい。


ファームでは私以外に、インドボダイジュやガジュマルたちが草花の見守りをしています。
のどかな自然の中で南の島のハーブたちと、ときには語らい、手づくり商品のしつらえ方を教わります。

ローズは冷え込むと香りがのる、収獲は午前の陽の光が強いときが良いとか、ローゼルは収穫が遅れると果実に繊維が入り、ジャムには不向きだとか、ウコンやワイルドジンジャ―などの根茎や、ハーブソルトに使うハーブの収獲タイミングが促されます。

ハーブたちの指示通りにはうまくいきませんが、それでも南の島に育まれた美味しいもの、香りのよいものは、ハーブ本来のもつ姿をそのまま届けているのだから。

腐葉土の中で野菜くずをたくさん食べたシマミミズの糞を肥やしにしたり、豆腐かすや海藻を集めて作った自家製の美味しい発酵肥料を、時々お礼肥やしにしたり、抜いた草をハーブたちの根元に覆土して、米ぬかをすき込むこともしています。
もちろん動物の肥料も有機土壌を作る大切な要素ですからたっぷり使います。
動物肥料とは有機土壌の基準値検査に許可されたものを使用します。
できる限り安全性を重視した栽培に徹します。

畑のハーブたちは収穫したものをどう扱うについても問われました。
もちろん丁寧に栽培したのものだから、丁寧な商品づくりをします。

なにより、自然の生命力に満ちた南の島のハーブ、その可能性を常に価値ある商品作りを目指して栽培からこだわり、日々努力しているのだから。

有機商品という型枠にこだわらず、素材の活かし方や販売価格、商品表示のことなど、商品を求める側に、より安心で安全な商品である為の商品こそが、丁寧な商品だと私は考えております。

日々こうしたハーブたちと自然の営みに同一化し、商品づくりの成長に役立てています。

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